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釣りについてあれこれ

単純に釣果だけに的を絞って考えています。

釣れた時のポイントや潮、風の状況、水温などを記憶するのは当然としても
誤解を恐れず言えば「釣れている時は何をやっても釣れるんです」
調子の悪いロッドであろうが、工夫の無い仕掛であろうが、エサの掛け方が悪かろうが釣れます。
でも、釣りにおいて爆釣は、過去の成功事例として、あまり役に立ちません。
だったら爆釣は何も意味がないのか、という話になりますが。
あわせのタイミングを身体で覚える絶好のトレーニングです。
長い釣り歴の中で星の数ほどあった悔しい出来事を忘れ、癒されるオアシス、
何度も強風や暑さ寒さを絶えて来た自分へのご褒美です。
存分にどん欲にその一瞬一瞬を楽しみましょう。
そして何より酔った時の自慢話のネタになります。

では失敗事例はどうか?

釣りでは成功の原因を見つけるより失敗を明らかにすることの方が容易です。
潮や天候の読み違え、仕掛での失敗、エサの選択の失敗、体調・・なんらかの原因で
釣りに集中出来ない、などなど、原因は★の数ほどあります。
一つの決定的な失敗の場合があれば、幾つかの要因が重なった場合もあります。
だから失敗事例を冷静に見極め一つずつ排除してゆく。
それしか無いんじゃなかろうかと思います。

完璧な釣りを100と表現するならば人は経験の蓄積やデータで
どのあたりまで到達できるか?

自分では40~50と思っています。

100の釣果があった日はそのうちの50~60は実力ではなく「運」と思った方がいい。
そうすれば、なんとか夕飯を賑わすだけの釣果でも満足できるというものです。

感謝の気持ちで一日を終えれば満ち足りた気持ちで彼方に沈む夕日を見られます。

オチの無い記事になりました。

2011年 12月 09日 | fish on ! and People | 釣りについてあれこれ はコメントを受け付けていません

おんべ鯛奉納

おんべ鯛奉納船に乗船して伊勢神宮へ行ってきました。
奉納船は、島で最も大型の漁船であるシラス引き漁船が通例となっており
今年の奉納船は生宝丸です。
その生宝丸を守るように前方に1隻、両舷に各2隻、合計6隻のシラス引き漁船
勝勢丸、漁勝丸、えびや丸、愛三丸、功盛丸が同航します。

島を上げての見送りの中、伊勢の神社港(かみやしろこう)をめざし朝8時に出港しました。
今回は6隻中5隻が自分が設計、建造した船体で漁勝丸は親父が設計した船です。
造船屋としてこの晴れがましい場面で「親父が生きていたらどれほど喜んでくれただろう」と思いました。

生宝丸に乗船したのは篠島漁協の組合長さん、南知多町長さん、篠島出身の町会議員さん
篠島神明神社の宮司さん、神宮でおんべ鯛の櫃を担ぐ重責を担った漁協市場の面々です。

伊勢湾を横断し到着した神社港では幼稚園児の花束贈呈や小学生による木遣り
伊勢市長や地元出身の国会議員さんなどの熱い歓迎を受けました。

神宮からの迎えの車に分乗し10分ほどで内宮の宇治橋に着きました。
太一御用の旗を掲げて宇治橋を渡り五丈殿で無事おんべ鯛奉納を終えました。
その後、清めを受け古殿地をさらに進み参拝しました。
これより深くは天皇と神職のみが許される聖域と聞きました。
その後、内宮神楽殿にて大々神楽の儀の後、御神札と神饌(おさがり)とをお受け
すべての行事が無事終了しました。

帰路の神社港でまたマーチングや心のこもった地元婦人会のおもてなしに感謝しつつ
帰路につきました。

おんべ鯛奉納は今も島の最も重要な儀式です。
古来より伊勢神宮を敬いおんべ鯛奉納に関わって来た島人の熱い思いは
この後も変わる事はないでしょう。

神宮よりいただいたお土産の赤福の伊勢だよりです。

2011年 10月 12日 | People | おんべ鯛奉納 はコメントを受け付けていません

海の上で考えたこと

人は言葉で思考します。
しかし釣りでは言葉以外の何かで物事を考え、判断し行動する
瞬間があります。
海や空や風と一体となる心地よい感覚です。
自分を取り巻く世界がすべて理解できたような錯覚すら起こします。

糸一本で魚と向き合う釣りの楽しさはこんな事かもしれません。

篠島の事や一日の釣りをなんでもっと上手く表現出来ないんだろうかと、よく凹みます。
自然を表現するのに人の言葉という極めて「不自然」なツールに頼る限界を感じます。

だから釣りをブログにアップしようとすると陳腐な内容になってしまう。

などと、駄文の言い訳を、あれこれ考える秋の夜長です。

2011年 10月 10日 | People | 海の上で考えたこと はコメントを受け付けていません

嵐の前の静けさです

台風15号のそなえて時化繋ぎをしました。
時化用の錨を入れ、係留索も普段の二倍の太さのロープをダブルにしています。
毎回の事ながら一仕事あります。

大型のしらす漁船はもっと厳重な係留になります。
漁師は自宅よりも船を大切にします。

知多半島や名古屋で多くの犠牲者が出た伊勢湾台風など
過去の大型台風でも島は一人の犠牲者も出さなかったと聞いています。
海と向き合う暮らしで身に付いた天候への知識や経験が
毎回の台風への備えに生かされているからだと思います。
今回の15号はスピードが速いので時間は短いですが昼頃から夕刻まで
爆発的な暴風雨になると予想しています。
荒れ始めたら、もう打ち手はありません、やれる事はすべてやりました。
あとは台風が過ぎるのをじっと待つだけです。

2011年 9月 20日 | People | 嵐の前の静けさです はコメントを受け付けていません

送り火

島の送り火はお盆の15日、今夜でした。
読経の中で近しい人や震災で亡くなった多くの人に手を合わせました。

今日は家の前のウミガメの孵化もあり、多くの足跡が海に消えていましたが
力尽きて帰れなかった子もいました。
生と死、生きとし生けるものが逃れられない宿命ながら
不幸にして海に帰る事無く息絶えた子ガメを海に返しました。
確認された二度の産卵場所は台風に備え一度取り出され、台風が過ぎた後
慎重に埋め戻されましたが、島民も気が付かなかった今回の産卵場所は台風の波で何度も洗われ
砂が堅く締まっていたのに、よくぞ多くが孵化出来たものだと、あらためて命の強さを感じさせられました。

送り火の炎に、今は送る側の自分が生きているのではなく
生かされていると感じたのは自分だけでしょうか。

2011年 8月 15日 | People | 送り火 はコメントを受け付けていません

時代

今年だけでもイギリス、アメリカ、イタリア、デンマーク、スエーデンなど、遠くからご予約メールをいただきました。
日本に里帰りした際にご家族でお越しいただいたパターンが多いようです。
今回は一番遠いお国からのご予約でした。
料理もお部屋も「和」を守って来た事がご予約をいただけた一番の要因かもしれません。
それは作られた和ではなく守り大切にしてきた和だからこそ
共感を持っていただけたのではないかと思っています。

近所の友だちからのメールと同じような感じで届く地球の裏側からのメール、
少し前では想像も出来なかった便利さです。
あと10年くらいしたら月からご予約のメールが届く時代になるかも。
価値感が多様になっても日本人の心の底にある「和」の料理、お部屋、おもてなしを大切にしてきましたが、月からご予約のメールが届く時代になったら「地球らしさ」を感じていただける宿作りが必要になりますね。

狭い地球、誰もが争うことなく暮らせたらと願うばかりです。

2011年 8月 05日 | People | 時代 はコメントを受け付けていません

台風なんかに負けてたまるか

台風の影響が出ると確実になった一昨日から、ご予約をいただいていた
お客さまに電話をしました。
せっかくご予約をいただき、海水浴を楽しみにしていたのに残念ながら
海水浴が出来るような天候ではない事、遊泳禁止になるかもしれない、
またお帰りの観光船が欠航になるかもしれない事、などなど。
ご予約をいただいていた多くが子供たちを海で遊ばせてやりたいというご家族です。
普段は心地よい子守唄のような波音も、今は地響きのように吠えています。
大荒れの海を見たい、というマニアックなお客さまは少ないと思います。
(自分は強風によろめきながら荒れ狂う海を見るのは好きですが)

よって今日は閉店です(笑)

昨夜のお客さまをお送りしてから、台風に備えて南風丸の時化つなぎやら
テラスのパラソル、椅子、テーブル、自転車をロープで固定したり
プランターを屋内への退避させたりの一日でした。
台風接近となれば毎度の作業ですが、大震災前と台風に対する気持ちが明らかに変わりました。
以前は、なす術の無い自然の猛威に戦々恐々としながら備えをしていましたが
今回は「台風なんかに負けてたまるか」という気持ちが加わりました。
台風と比べ物にならない規模の大災害の悲しみを乗り越え、復興という二文字に立ち向かっている
東北の皆さまからいただいたパワーであると思います。

まだ雨は始まっていませんが、渥美半島のふところに避難する大型船の灯が増えて来ました。
明日は今日以上の大時化でしょう。
自然の猛威を前にして人の能力など哀れなほど小さくとも
こんな時こそ東北人が見せてくれた冷静さと勇気を見習いたいものです。

2011年 7月 19日 | People | 台風なんかに負けてたまるか はコメントを受け付けていません